2018年5月15日発行 地質時代第20号 1面
ハワイ島キラウエア火山の噴火は3日に始まり、17日には爆発的な噴火が発生。火山灰が上空9100メートルにまで吹き上がった。流れ出たマグマが海に到達するなど、被害は収まる気配を見せていない。20日現在、建物40軒が溶岩流にのみ込まれた。住民約2000人が避難中だが、警戒体制は機能しており死傷者はいない。
太平洋プレートとホットスポット
ハワイ諸島(ハワイ、マウイ、ラナイ、モロカイ、オアフ、カウアイ、ニイハウ)は一つのホットスポットによって生じた火山がプレート移動することで連続的に形成されてきました。この火山はマントル対流の上昇によって生じた太平洋プレート(変形しない剛体)の下(リソスフェア=弾性体)の下のアセスフェア(流動体)の局所的な溶解部分(ホットスポット)からもたらされたマグマによるものです。 ホットスポットによる火山活動で形成された島は、太平洋プレートに乗っかって日本に向かって移動し、次々と新しい島を生んできました。一番古い島はカウアイ島で510万年前に形成され、現在、活発に活動しているハワイ島は43万年前に形成されました。 左図がその仕組みです。
ホットスポット自体も8000万年から5000万年かけて、遠くアリューシャン列島あたりから1700km南下したことがわかっています。
粘り気が決める火山の形
キラウエア火山の溶岩はサラサラ血液のようにゆっくりと流れ観光客が触れるほどですが、日本の火山は爆発的で近くに寄ろうものなら命がない。この違いは、二酸化珪素の含有量が決めています。(少ないほどサラサラ)。そして山の形も、楯を伏せたようなキラウエア、美しい富士山という違いを生みだした。